
生姜のチカラ
冬は季節がら風邪をひきやすくなります。
アーユルヴェーダでは、風邪はカファによる疾病といいます。体内に過剰の冷たさや湿ったカファの質が蓄積しすることで(動きが)停滞し鼻水が出たり、それと同時に(乾燥の質を持った)ヴァータが過剰になると、消化の火が弱まり、冷えや食欲の低下、消化力の低下をまねきます。
風邪にベストなホームレメディ(お家でのセルフケア)は”生姜”です。
生姜は生の生姜と乾燥した生姜がありますが、どちらも熱性で消化の火を燃え立たせ、食物の消化・吸収を促す作用があります。
生の生姜はヴィパーカ(消化後の味)が甘味、乾燥した生姜は辛味なので、ピッタが多い方や増大している方は生の生姜が適しています。
風邪のホームレメディ
レメディ1
生姜1:シナモン1:レモングラス2(数字は割合です)
1カップのお湯に上記のハーブ小さじ1を入れて10分ほど蒸らす。粗熱が取れてからお好みで蜂蜜を入れてもよい。
日に3、4回飲む。
レメディ2
生姜2 :シナモン3 : カルダモンひとつまみ(数字は割合です)
1カップのお湯に上記のハーブ小さじ1を入れて10-15分ほど蒸らす。粗熱が取れてからお好みで蜂蜜を入れてもよい。
レメディ3
小さじ1の生姜、またはユーカリの葉を数枚入れて500ml程度のお湯を沸かす。火を止めて頭にタオルをかけてお湯の蒸気を吸う。鼻や喉、胸の詰まりを楽にします。
特に咳がでるとき・・・
・生姜汁小さじ1と蜂蜜小さじ1を混ぜたものを日に3、4回舐める。
・胡椒小さじ1と蜂蜜小さじ1を混ぜたものを日に3、4回舐める。
空咳(痰の少ない)が出るとき・・・
・熟れたバナナに蜂蜜小さじ1と胡椒を2つまみ混ぜて食べる。
・牛乳1カップにターメリク小さじ1/2と生姜1/4を加えて火にかけて温める。このゴールデンイエローを夜寝る前に飲むと喉のイガイガや空咳を緩和します。
喉が痛いとき・・・
・数枚のトゥルシーの葉を絞った汁と同量の蜂蜜を混ぜて(大さじ1程度)、日に3回舐める。
・コリアンダーシード1gを舐める。
その他食事や生活面での過ごし方
・ビタミンCをたくさんとる。
・アムラやトリファラはラサーヤナハーブ(滋養強壮ハーブ)でビタミンCも豊富なので風邪予防に摂るとよい。
トリファラは3つの果実、ハリータキー、ヒビータキー、アムラ、が含まれているので、トリファラを摂るならアムラは取らなくてよい。(両方摂取すると下痢になる可能性あり)
・冷たい飲み物は避けて、温かい飲み物を飲む。白湯やカフェインの入っていないハーブティやお茶が適しています。カフェインは体の水分を排出する作用があるためです。トゥルシー茶は咳、気管支の不調に適しています。
・ヨーグルトやチーズ類、ミルクなどの乳製品を控える。乳製品はカファを増やすので、痰が多い時、鼻水が出ているときはカファと同じ質を体内に増やしてしまいます。
・鼻に温かいオイルを数滴いれる(ナスヤ)。セサミオイルやギーを人肌に温めて、片方ずつ鼻にいれて吸い込みます。粘膜が潤い、過剰な粘液、痰を排出しやすくします。
・ふいごの呼吸、バストリカを行う。バストリカ呼吸法は体内に熱を生むので、風邪の症状が緩和するのを助けます。
やり方はこちらのブログを参照。
https://www.ananda-yogastudio.com/post/20200315-pranayama
・暖かくして、できるだけゆっくりすごしましょう。
・症状が軽ければ、太陽礼拝のポーズや、肩立ちのポーズ、ヘッドスタンドなどの逆転のポーズ、前屈系のポーズをするとよい。鼻から痰を排出するのを助けます。
・大根は冬の野菜で痰を排出するのを助けます。大根の入ったお鍋や野菜スープはおすすめです。
<注意点>
・症状がひどいときは必ずお医者さんに診てもらうこと。
・過度の自己判断は危険です。
・ホームレメディは色々なものがありますが、個々の症状や体質であうあわないがあるので、できそうなものを試してみて様子を見てください。全てをやる必要はありません。